Healthcare Data Mining for Safety
ヘルスケア安全性データマイニング−ファーマコビジランスの裾野を拡大
背景
医薬業界における医薬品安全対策の主流はこれまで、臨床試験における安全性データと、承認後の医薬品の有害事象(AE:Adverse Event)についての自発報告に基づいた受動的調査による収集と分析に頼っていました。 臨床試験データおよび有害事象自発報告の分析によってファーマコビジランスを行う上での重要な情報が得られます。 しかし、こうしたデータ源には限界があることはよく知られています。 そのため、ファーマコビジランスプロセスの支援を目的として、電子医療記録や保険金請求データなどの大規模な電子ヘルスケアデータの分析への関心が近年高まっています。
電子ヘルスケアデータの分析ではデータマイニング 技術の利用が考えられ、もともとヘルスケア業務を支援する目的で作成した大量のデータ(例えば、管理、医療費請求、医療記録など)から有効に二次利用できる可能性があるものを抽出します。 ヘルスケア安全性データマイニング(HDMS:Healthcare Data Mining for Safety)という用語は、医薬品の安全性調査の支援に電子ヘルスケアデータを利用することを意味しています。
HDMSについての現在の主要な関心の多くは2007年の画期的なFDA改正法(FDAAA:FDA Amendments Act)に端を発しています。 同法はFDA(食品医薬品局)に、公的および私的分野における大規模な観察データ源を用いた有害事象調査を積極的に 行うよう求めています。 より具体的には同法案は、FDA医薬品評価センター(CDER:Center for Drug Evaluation and Research)のディレクターであるJanet Woodcock博士はFDAにおけるヘルスケアデータの利用計画についておこなった議会証言「…多数の情報源からの安全性データ(患者数総計で2010年7月1日までに少なくとも2千5百万人、2012年7月1日までに少なくとも1億人を対象にすることが目標)を取り込んで分析する市販後リスクの同定・分析システム…」と開発を命じています。
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FDAは現在、患者レベルでの電子ヘルスケアデータのシグナル検出、データマイニングおよび分析を行う新手法の調査、試験、開発を進めています。 こうした新手法が、安全性に関する問題点の存在と原因についての仮説を立てて検証するという既存の受動的市販後調査のシステムを補完します。
電子ヘルスケアデータの医薬品安全性評価への利用
図1は医薬品安全性評価のための3つの主要データ源の長所および短所を要約しています。有害事象自発報告 の場合、効率的でタイムリーな報告システムであるため有害事象の特定が容易に行えますが、報告されないものが数多く存在するという問題点があります。コントロールされた臨床試験 では品質の高いデータが得られますが、患者数が非常に少なく、また長期服用のリスク評価を十分に行えません。電子ヘルスケア記録 によるデータでは多数の患者で医薬品の影響の研究が行えますが、ヘルスケアデータを扱うように最適化した新ツールの分析・開発に有効に適用するにはデータの解釈、クリーニング、コーディング、変換などを幅広く行う必要があります。
図1: 安全性関連データの主要データ源

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治療薬の安全性プロファイルについてより広い観点から理解を深めるためには、この3つのケースすべてにおいて、堅牢なデータマイニング・分析ツールが非常に有効です。 21世紀における専門家の安全性評価に関する要求は急速に拡大しつつあり、これに応えるための包括的ワークベンチの一部としてこれらの3つのデータ源の利点を相補的に活用できるようにすることを長期ビジョンとしています。
フェーズフォワードの安全性への取り組みに向けたヘルスケアデータマイニング
フェーズフォワードは現在弊社のEmpirica Safetyスイートの機能を拡張して、ヘルスケアデータのマイニングを支援するHDMSソフトウェアを開発中です。 こうした取り組みはFDAや米国疾病対策センター(CDC:Centers for Disease Control)、国防総省公衆衛生局長官室など医薬品安全性調査に関心の深い政府機関との連携のもとに進めています。
以下は現在のHDMSプロトタイプ使用時のスクリーンショットです:
この図はいくつかの医薬品とICD-9診断コード「7948:肝機能検査で特段の異常なし」に関するデータマイニングのシグナルのスコアを示しています。イソニアジド(118)に対応する症例数をクリックすると症例リストが表示され、その中の1症例をドリルダウンして患者プロファイルをグラフィック表示することができます。
お客様にとってのHDMSの意味
フェーズフォワードでのHDMS開発はまだ進行中ですが、この取り組みはお客様にとっていくつか重要な意味を持っています。
- フェーズフォワードがこの重要な分野に非常に積極的に取り組んでいること、新しいファーマコビジランス手法の開発・試験を政府厚生関連機関と連携して進めていることのお客様への保証
- フェーズフォワードがソリューション開発を進めることにより、お客様は将来新しい安全性システム製品をご利用いただけけること
- お客様はこの分野におけるフェーズフォワードによる開発への参加やご意見の提供が可能

